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2019年7月 3日 (水曜日)

妄想劇場「キャバシティーハンター」(2)

このお話は前回の続きです。

タレミーはとあるアパートの前で彼を待っていました。垂れ耳の若い男が外に出ようとしてタレミーの姿を見つけ一瞬ギョッとした表情で戸を閉めようとしましたがタレミーは見逃しませんでした。

City9

タレミー「やっとお会いできたわね探偵さん。いえ護衛係と言うべきかしら?」

「あ、あの、何のことだかさっぱり・・・」

「とぼけても無駄よ。パパに頼まれてずっと私を尾行してきたんでしょう?私がこの街に来てまもなく、怪しげな芸能事務所のスカウトに声をかけられ事務所に連れて行かれそうになった時、キャバタウンでキャッチセールスに着物を売りつけられそうになった時、訪問販売で羊毛布団を買わされそうになった時も、偶然パトカーが横切ったりお巡りさんがパトロール中だったりお金が引き出せなくなったり、全部タイミングが良過ぎたわ。心配性のパパが私をすんなり家から出してくれたのも怪しいと思ってたわ。」

「ご存知だったんですか・・・。」

「私を誰だと思ってるの?パパの娘よ?パパは昔探偵だった。パパは隠してたけど私はママから聞いて知ってた。パパはこの街で仕事をしている時にママに出会った。クライアントとその家族には個人的接触が禁じられているにもかかわらずママと付き合って結婚した。掟破りのパパは事務所を追われこの街を出て故郷のパピヨン村に戻った。」

City11

「どうしてそれを・・・。」

「えっ!!マジ!?本当に?今のは全部あてずっぽよ?死んだママがとんでもない妄想家でいつも見てきたようなウソばかり言ってたから私も言ってみただけ。そう・・・じゃあやっぱりいるのねもう一人。」タレミーはくるりと後ろに向き直って叫んだ。「さっきからそこにいるんでしょう?出てきて顔を見せて頂戴。どうしても聞きたい事があるの!!」

植木鉢の陰から立ち耳の青年がひょっこり顔を出した。

City10

「やあ見つかっちゃいましたか。さすがはボスのお嬢さんだ。」

「用心深いパパが私と若い男性だけにするはずがないわ。私だったら必ずもう一人見張りを立てる。ねえそれより私が今日ここへ来たのはパパの事よ!この2日間全然連絡が取れないの。今まで一度だってこんなことなかった。何があったの、知ってるんでしょ、隠さず教えて!!」

「実はボスは村の健診で異常が見つかって検査入院中なんです。」

「そう・・・わかった、今日中に荷物をまとめて明日パピヨン村に帰るわ。」

「えっ!?でもまだお相手が見つかってないんじゃ・・・。」

「それならたった今見つけたわ。よかったら2人も一緒にパピ村に来てくれない?」

City6

タレミーは初めから父の仕事を継ぐつもりでキャバシティーに出てきたのです。語学や法律や経理など事務所を開くための勉強をしながら信頼できる有能な仕事のパートナーを探していました。2人の優秀な男性をヘッドハンティングしたタレミーはパピ村に戻り、父親のユーリーが異常なしとわかるとすぐに新しく事務所を開き社長になりました。やがて部下である立ち耳のパピ夫と結婚し公私共にパートナーになったのです。

City12

↑2人の間に生まれた半分垂れ耳半分立ち耳のファレン。

可愛い一人娘のタレミーが村に戻ってきて自分の選んだ男性と結婚し自分にそっくりな孫の顔も見せてもらって大満足の父ユーリーなのでした。

City8

注:この物語は完全フィクションです。あの有名な「シティー・ハンター」とは全く関係ありません。探偵にそんな掟があるのかどうかも知りません。

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