女流作家タミコ 其の三
話題のドラマ(?)「あなたのオタクへ・・・」が読めるのはこのブログだけ!
2次元に恋する男にリアルな恋をした女・K子(仮名)。
彼女が宅配会社に転職してから3ヶ月が過ぎた。
「変に目立って顔を覚えられたり異性として意識されたら
美少女戦士フィギアやエロエロゲームを買いにくくなって
別のところに注文するようになるかもしれない。そうなったら一大事!」
彼女は帽子を目深にかぶり口数も少なくきわめて事務的な態度を取っていたが
配達記録から彼の在宅時間や勤務形態をリサーチすることは怠らなかった。
ある週末。半ばストーカーと化していたK子は彼を追って秋葉原へ出かけた。
しかしたまたまその日トークイベントがあったアイドル声優に
容姿と声が似ていたことからK子はマニアの男性達に取り囲まれてしまう。
「ち、違います、私は声優じゃありません、人違いです!」
困っている彼女を救ってくれたのは彼だった。
彼は本物のアイドル声優との容姿や声質やイントネーションなどの微妙な違いを
集まった男性陣に詳しく説明して誤解を解いてくれたが、そこからまたたく間に
そのアイドル声優についてのマニアックな話で全員が盛り上がっていき
人ごみの中心にいた彼女はあっさりその輪からはじき出されてしまった。
「あ、あの・・・ありがとうございました。お陰様で助かりました。
よろしかったらお名前を教えていただけますか・・・・?」
名前も住所も電話番号も全部知っているのに白々しく彼に話しかけたK子だったが
「・・・・え?あ!あーっ!!!!」
という短い言葉を残して彼は風のように消えていった。
「ええええええ~~~~!!!?????」
「・・・え?(あんた誰?まだいたの?)
あ!(うわっ。もうこんな時間。トークイベントが始まっちゃう!)
あーっ!(偽者にかかわってる場合じゃない、急げーっ!!」
彼の短い言葉の行間からその真意を正確に読み取ることのできた
有能な元重役秘書のK子であったが、恋の成就には何の役にも立たなかった。
彼女の受難は続く。
(・・・・・いつまでつづくんんだろう・・・・???)
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