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2009年4月15日 (水曜日)

カルテNo.1(前編)

わけあって故郷を追われさまよい続ける女タミー。
彼女はとある小さな村にたどり着いた。
「空気が美味しくて緑が多くてお花畑がいっぱい♪
何だかここが気に入ったわ。しばらくここで暮らしてみよう。」
タミーは小さな工場で住み込みで働き始めた。
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村の人達はみな親切だったがタミーがここに来て一番驚いたのは
この村の人達が全員、3本もの腕を持っていることだった。
2本の腕しか持たないタミーは一人だけ身障者であり異質な存在だった。

しかしそれよりもタミーを悩ませたのは彼女に会った人達が必ず
その腕は生まれつきなのか親戚も皆そうなのか
不自由な腕でどうやって暮らしてきたのかなどと詳しく尋ねてくることだった。
うんざりしながらもタミーは根気よく丁寧に説明していった。

やがて月日は流れ・・・・タミーにはコータという恋人ができた。
「タミーさん、僕の家族になってくれないか?僕の家は母一人子一人で
お袋は死んだ親父の借金を返すために昼も夜も働いてるんだ。
君が家族になってくれたらきっと賑やかで楽しい毎日になると思うよ!」
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タミー「でも私は2本しか腕がないのよ、反対されるに決まってるわ!」
コータ「大丈夫、うちのお袋はそんなこと言わないって。今から話をしてくるよ。
    必ずOKをもらって来るから、夕方この丘で落ち合おう!!」
コータは笑顔で手を振って坂を降りていった。

「どうしよう・・・コータさんは簡単に言ってたけど反対されるに決まってるわ。
いっそこの村をこっそり出てゆこうか・・・・・いえやっぱりできない・・・・
そうだ、この村にはどんな手術も成功させる天才外科医の
ブラックジャックラッセルテリア先生がいるって聞いたわ!
その先生ならきっと私の腕を3本にしてくれるはずよ!!」
タミーはブラックジャックラッセルテリア医師宅を訪れた。
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「ブラックジャックラッセルテリア先生!!
お願いします、私の腕をもう1本増やして下さい!」

「お安いご用ですよ。腕の1本や2本、足の6本や8本。
オプションでタコの吸盤だってつけてさしあげますよ。
それで?お金は持ってきたんでしょうね?」
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「はい、持って来ました。これが私の全財産です。
工場で2年間働いて一生懸命貯めたお金です。3600キャバ入ってます。」
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「3600キャバだって!?腕を1本つける大手術をそれっぽっちで!?
ああもう帰った帰った!慈善事業やってるんじゃいなんだから。しっしっ!」
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「そ、そこを何とかお願いします、残りの分は一生働いて返しますから!」
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「・・・・今、2年間工場で働いて貯めたお金って言ったね。
その不自由な体でもちゃんと働いてお給料もらって貯金だってできるんなら
別に腕を1本増やす必要もないでしょう。
子供の頃ならまだしも、大人になって腕増やしたって混乱して怪我するのがオチだから
やめといたほうがいい。」
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「でもそれじゃ困るの、私、コータさんと結婚できない~~!!!」
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しかしブラックジャックラッセルテリア医師に泣き落としは通用しなかった。
「はーん。そういうことか。
だったらあらいざらいぶちまけて反対されるなり駆け落ちするなりしたらいい。
ま、たぶん大丈夫だと思うけどね。」

タミー「な、何ですってぇ!?何て無責任な!もういいわ帰ります、さようならっ!!」
力いっぱい乱暴にドアを閉めてタミーはブラックジャックラッセルテリア邸を後にした。

数時間後。タミーは約束の丘の上で座り込んでいた。
「はあああ。ついカッとなってあんなこと言っちゃったけど今からでも謝りに行こうかなあ。。」
そこへコータが笑顔で駆け寄ってきた。手で大きなマルを作っている。
タミー「えっ!?OKもらえたの・・・・!?」

続く。

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