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2008年8月16日 (土曜日)

読書感想文

あのう一太郎先生、ネタがなくて困ってるんですけどその手を貸して下さるか
何か面白いお話などありましたら聞かせていただきたいんですけど。
808160
タロ坊「くだらないこと言ってないで早く読書感想文を提出しなさい!!」

・・・・ということで夏目漱石先生の「こころ」の読書感想文を。
まずストーリーをわかりやすくまとめてみます。
「先生」は友人の「K」から静(しずか)さんへの恋心を打ち明けられます。
寺の息子で修行僧のような堅物の友人の告白に驚いた先生は
「実は自分も彼女のことが好きだ」と打ち明ける機会を逸してしまいます。
その後も何度か打ち明けようと思いつつ決心がつかず
「先生」はだんだん不安に襲われてきます。
「Kより早く手を打たねば」とあせった先生はついに彼女に結婚を申し込みます。
快くOKの返事をもらった後も先生はKにそのことを話すことができません。
やがて先生と彼女の結婚話を耳にしたKは先生に直接何も言わぬまま
数日後頚動脈を切って自殺しました。
遺書には彼女のことには一切書かれていませんでした。先生はホッとします。

まずKさんも先生もあまりにも世間知らずです。
初めて好きになった女性が同じ下宿の娘さん、という女性経験のなさ。
先生は信頼していた叔父さんに裏切られ財産をだまし取られましたが
両親が亡くなったのは先生が20歳のとき。学生とはいえ充分大人です。
「本来自分に相続されるべきだった財産よりはうんと少ない」とはいえ
一生何もしなくても暮らしてゆけるほどの額を受け取っています。
先生は卒業後も一度も外に出て働いていません。
人の財産を乗っ取るのはもちろん許されてはならない卑怯な行為ですが
先生は他人をだましてでもお金を手に入れたいと思うほど
困ったり苦しんだ経験があるのか、そういう思いをしたことがあったのか!?

先生はKの自殺で良心の呵責に苦しんで自殺した、とは私は思っていません。
先生はたぶんKの男らしい潔さに人間として男として負けたと思ったのでしょう。
人をだます人間を軽蔑し自分はあんな人間には絶対ならないと言っていたのに
先生自身かなり卑怯な手を使っていろいろと友人のKを心理的に追い詰めました。

が・・・私に言わせればKもまた「失恋して死んだ」とは違うと受け取っています。
彼は自分の心の弱さ(実は人間として当然のことなのですが)に
自分という人間はどうしようもないダメな奴だと絶望したのです。
そういう意味でもこの2人は似たもの同士です。

次回は・・・
「自分が静さんで先生にことの顛末を全部打ち明けられたらどうするか!?」
というお話に移ります。ひとつのネタでどこまで引っ張るんだ~~!?(^◇^)

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コメント

よくあるパターンと言えば、よくあるパターンだよね。
お互いに一人の女性を好きになって…。
これを携帯小説風に脚色したら、案外女子高生に人気が出るかもね!?(^m^)

投稿: ぷーちゃん | 2008年8月17日 (日曜日) 23:17

先に告白されたら「自分も!」とは言えないだろうね・・・
また、そこで譲るような男もダメだし。
でも私は好みが独自路線なので人とかぶった経験がない(笑)
いやーん。いいねえ。今ふうに脚色!
「こんな変なのに惚れる奴はいないだろう」と安心してたら
実はみーんな惚れててライバルだらけだった、とか!?coldsweats01

投稿: 香苗 | 2008年8月18日 (月曜日) 00:04

 先生もKも、人としての「痛切な孤独」に取り付かれて死んだのだと私は思いますね。
 「こころ」の一節に「現実と理想の衝突、——
それでもまだ不充分でした。私はしまいにKが私
のようにたった一人で淋(さむ)しくって仕方が
なくなった結果、急に所決(しょけつ)したので
はなかろうかと疑い出しました。そうしてまた慄
(ぞっ)としたのです。私もKの歩いた路(み
ち)を、Kと同じように辿(たど)っているのだ
という予覚(よかく)が、折々風のように私の胸
を横過(よこぎ)り始めたからです。

 という部分があります。私もいちばんぞっとし
て涙なしでよめないところのひとつです。

 あとひとつは、自分の人生が過去の裏切りから
照らされてこの道ひとすじしか見えない、という
文があったと記憶しているのですが、手元に現物
がなくて。

 自分による自分の裏切り。これほど人生を孤独
にさせるものはありません。

 「田舎教師」はさすがに再読をおすすめします。ちょっとかわいそうです(^^;

 

投稿: リンデ | 2008年8月18日 (月曜日) 07:18

Kは孤独な人でしたね。
いつも自分とだけ関わって自分とだけ戦っているような。
だから自分への絶望はそのまま自分の精神世界の破滅でした。
でも私はこの物語の中でKが一番好きです。
先生が彼女と結婚しなくても、いつかは自殺したような気がする・・・。

先生の不幸は一生働かなくても暮らしてゆける財産を
両親から残されたことだと思っています。
働いて日々の暮らしに追われ日常の雑事に気を取られることなく
ずーっと自分とだけ向き合って逃げずにいる年月がどれほど苦しいか・・・
一時は酒に溺れてみようとしてやっぱりダメだったようだし。

これが妻あての遺書だったら多少は自分を良く見せたいという
脚色があって事実をねじ曲げてしまう恐れがあるところを
何の利害関係もない「私」への手紙にするというところが上手い!
包み隠さず事実を書いていると思えます(私は疑り深いので)
先生は「私」に会えてホッとしたのかも知れません。

「田舎教師」・・・確かにこれだけでは気の毒なので
現在再読中です。21年前のが本棚にありました♪
しかし・・・やっぱりだるい話だ(苦笑)

投稿: 香苗 | 2008年8月19日 (火曜日) 11:01

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