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2008年8月10日 (日曜日)

「こころ」(3)

えっと。ここから「私」に当てた「先生」の手紙の中のお話に入ります。
早い話が「先生」は妻を残して命を絶ったので手紙は「遺書」になります。
もっとわかりやすくいうと「先生」は親友のKさんを裏切って妻を得て
その直後にKさんは自殺します。
そのことへの苦しみに耐えかねて「先生」も死を選びました。
これだけだとあっさりし過ぎなので私が「妻の手記」をねつ造しました。
かなり主観と脚色が混じっていますが事実関係はおおむね間違いないと思います。


「先生」の妻の静(しずか)です。
808100
すみません!!無理がありすぎです!他に役者がいないから許して!


私の名は静(しずか)。
夫と女中のばあやの3人暮らしです。子供はおりません。
夫と知り合ったのは私がまだ女学生の頃。
戦争未亡人の母とばあやの3人暮らしで生活にも困っていなかったのですが
寂しいから下宿人を置こうかと母が言い出し、やって来たのが今の主人です。

まだ学生で、いつも家にこもって書物ばかり読んでいる、口の重い人でした。
母と私が何くれとなく世話を焼くうち、ぽつりぽつりと故郷のことを話してくれました。
実家はかなりの資産家で、20歳のときご両親が続いて亡くなって
財産管理を頼んでいた叔父さんにお金をだまし取られたそうです。。
心から信頼していた叔父に裏切られ人が信じられなくなったと言っていました。
私は少しずつ彼のことが気になり始めました。
むこうでも私に好意を持ってくれていると思うのですが
いつまでたっても何も言ってはくれません。

彼は同じ大学に通う同郷のKさんという友人を連れてきて
一緒に下宿させていろいろ面倒をみてくれと私たちに頼みました。
Kさんは彼よりもさらに無口で生真面目な人でしたが
それでも夏休みには2人で海に遊びに行ったりして仲が良さそうでした。

私が女学校を卒業した年、私との結婚を彼が申し出てくれたときは
嬉しくて天にも昇る気持ちでした。
ところがその数日後にKさんは布団の中で頚動脈を切って自殺してしまいました。
短い遺書があっただけで詳しい理由はわかりません。
彼は近くの雑司ヶ谷にお墓を立て、今も毎月お墓参りに行っています。

彼とはそれからまもなく結婚しました。
でもKさんの死以来、彼は何だか人が変わってしまいました。
人との接触を避けるようになり卒業してから一度も外に出て仕事をしようとしません。
私や母にもとても優しくしてくれるのですが、いつも何か距離が置かれているようで
私のことが嫌いなのかと尋ねてもそんなことはないと首を振るばかり。
そして先日、私が叔母のところにいる間に夫は自ら命を絶ちました。
生前、夫のことを先生と呼んで慕ってくれていた書生さんがおりますので
今度お会いしたらいろいろと尋ねてみるつもりでおります。


物語はこれで終わりですが、次回は私の感想文を提出!(笑)
はー。いっぱい書いて疲れたわ。。。。

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コメント

ほぉ~、ほぉ~。
大変分かりやすい!
それに綺麗な文章やわー!
私も読んでみたくなりました。
でも、次回の香苗先生の感想文の方が楽しみscissors

投稿: まる子 | 2008年8月11日 (月曜日) 06:34

なるほど、こういう話なんだ!

しかし、おも~~~い話だね(^^;
>卒業してから一度も外に出て仕事をしようとしません
って…
ダメダメな旦那さん(^^;
しかも自殺しちゃうとは(^^;;

次回、香苗さんの感想を引き続き楽しみにしてます~。

投稿: ぷーちゃん | 2008年8月11日 (月曜日) 07:56

まる子さま

高校生風の純心な読書感想文を書いてみようかと思ったけど
人生の手垢が付きすぎてとても書けそうにありません(爆)
しゃあないから年齢にふさわしく、死者にムチ打ち悪者に味方する
大阪のオバチャン風になると思います。
それにつけても画像用にもう少し役者(キャバ&猫)が欲しいな。。。

投稿: 香苗 | 2008年8月12日 (火曜日) 10:52

ぷーちゃん

そうなのよ!いくら何でもプーはいかんやろ!!
毎日何して暮らしてるんだろうね。
お手伝いさんもいらんやろ、とツッコミたくなるわ。
資産家に縁がないから暮らしぶりがようわからん。
働いてなくても困らないんだから、死んでも困らないんだ。
人間、守るものがあったほうがいいね・・・(苦笑)

投稿: 香苗 | 2008年8月12日 (火曜日) 10:59

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